無線LAN高速化と高密度化の実現には
スマホ・タブレット・PCなどを筆頭に業務利用するデバイス数は増加の一途、デバイス側に有線LANポートがない製品が増え、今や有線よりも無線LANが業務におけるメインネットワークとなる企業も増加しています。プリンタや複合機、スキャナーやネットワークカメラ、NASなどのストレージ利用も大きく進んでいる状況です。
ところが「切れやすい」「遅い」「つながりにくい」「スピードアップできない」と言った従業員からのネットワークに対する不満の声が高まり、たとえばアクセスポイント(AP)を増やしたのにそうした課題の解決につながらないことが多くなっています。
Wi-Fi7(IEEE 802.11be)への対応デバイスが続々と登場するなか、Windows11デバイス切り替えも進む今こそ無線LAN環境を高速かつ高密度な運用体制へ進化させる絶好のタイミングではないでしょうか。
現状分析
無線環境を整備しても「切れる」「遅い」「つながらない」事象が頻発する事態は避けたいのが本音ですが、新型ウイルスの蔓延以降に爆発的に増えたデバイス数やリモートワーク増加によるワークスタイルの変化に伴い、社内ネットワーク運用におけるきめ細かい管理と制御の必要性が増しているのが実情です。
そのためそうした実情に即した集中管理機能を備えた無線LANコントローラーやAP(アクセスポイント)は必須となりつつありますが、企業規模や業種・業態により求められるAPやコントローラー構成はさまざま。
コントローラー等を用いた集中管理の重要性
たとえば小規模事業者やスタートアップ企業向けには、自律型AP(アクセスポイント)導入がおすすめ。トラフィック処理から電波状態の監視・制御、セキュリティなど数台から十数台規模の運用に対して必要最低限の管理に最適です。デメリットは導入や変更や追加の際に個別設定の必要があり、将来的に運用管理負荷が高くなる傾向にあります。
中小・中堅企業向けにはオフィスや遠隔拠点に点在するAPをコントローラーとして利用、うち1台を集中管理用のコントローラーとして機能させる手法がおすすめ。各APの持つ設定情報を自動的にコピーして別機器に適切に設定させるなど便利な機能も備えています。
通信が不安定な要因
今や珍しいことではないフリーアドレス制のオフィス、たとえば特定地点では無線LAN接続してもスムーズに通信できていたのに、別スペースに移動すると速度が半減したり接続が不安定になるのはよくあるケース。オフィス内で端末ごと移動するとレスポンスが遅くなったり、切れやすいなどのトラブル事象が往々にして発生します。
この原因として考えられるのが、APに同一チャネルで接続時の通信競合の発生防止のための「デバイス順番待ち」。接続デバイスが増え続けデータ通信などトラフィックが増えるほど速度低下を招きやすく、同時接続タイミングで複数デバイスが一斉に通信を開始すれば全体にも悪影響を及ぼしかねません。
また一般的にAPから離れるほど電波強度は下がり続け、速度が低下しやすいのです。
新たな周波数帯域を用いた解決策
たとえば旧式ルーターやAPを利用していれば2.4/5GHz帯域しか使えずスピードも遅く、接続も不安定になりがち。この帯域は電子レンジや気象レーダーなどとの電波干渉がしばしば発生するため、通信効率が低下しやすく遅延や切断が発生しやすいことで知られています。
そこで活用したいのが新規格『Wi-Fi7・6E』で使えるようになった「6GHz帯」。この帯域は現在混雑なく使えるだけでなく、非常に高速かつ安定した通信速度を実現できることが判明しています。これまでの帯域では、電波干渉による速度低下や通信混雑発生に悩まされることが当たり前でしたから、そうした煩わしさからは解放される可能性が高まります。
また目に見えない無線LANの電波状況を可視化、平面のオフィス図面から実際に配置したAPをマッピング、無線の到達可能エリアを図示させるツール等を活用できればオフィス内の電波状況を詳細に把握、電波環境を大きく改善させることに繋げやすいのです。