グーグルAIサービスの進化

先日お目見えしたグーグル社の新AIサービス『Gemini』ですが、質問内容をメッセージ送信すれば回答を受け取り、プライベートにも業務にも使える優れた製品と言えそうです。
複雑なタスクにも対応可能な最上位モデル「Gemini Ultra」を利用できる有料サブスクプラン「Gemini Advanced」の提供も始まりました。

「ChatGPT」「Microsoft Copilot」に続いて登場したこのグーグル新AIサービスがいま注目されており、今回はこの話題を取り上げて解説します。

Gemini Advancedとは

サブスクリプションのGoogle One「AIプレミアム」プランに加入すれば利用でき、料金は月額2900円。

このサービスには2TBのストレージサービスも付加され、現在のところ「2カ月無料のキャンペーン」期間中です。将来的にGmailやGoogleドキュメントでの文書作成サポート、プレゼンテーションを簡単に作成できる機能の提供がアナウンスされています。

AIの業務利用の先鞭となりえるか

先月にはMicrosoftが「Copilot for Microsoft 365」、Open AIは「ChatGPT Team」をリリース。今回のGoogleAI登場により「日常業務においてAIを使うのが当たり前」になる時代の到来を予期させるものとなるのか?いまだ未知数ではあります。

ただ、そうは言ってもAIを活用してどんどん業務の効率化を進められる企業・組織とそうではなくコストや社内負担などの懸念材料をもとにテクノロジーの導入をためらい、あくまで自己流を押し通そうとするところでは業績などの面で大きな差が広がりかねないのがテクノロジーの持つ怖さ。

ビジネスにいかにAIやRPAと言った新たなテクノロジーを投入して活用できるか問われてくるのが現代なのです。

参入障壁が低いGemini

Googleアカウントさえ持っていれば誰でもすぐ使える無料プランも用意され、その手軽さはChatGPT・Copilotをはるかに凌ぐもの。たとえばChatGPTでは英語画面でのアカウント作成が求められ、CopilotについてはMicrosoftアカウントログイン後にEdgeからアクセスしない限りフル機能を利用できない不便さが指摘されています。

人によってはこの初期ハードルの高さに苦手意識を感じ、使いこなせないと拒否反応を示してしまう方もいるかもしれません。その意味でグーグル新AIは参入への障壁を格段に下げており、人々に受け入れられやすい下地を備えています。

注意点

利用に際しては、個人情報や会社の機密情報などを含む機微データをAIを用いて漏洩流出させないよう十分配慮することが求められます。これは今後のAI活用における肝とも言える重要な要素の一つ。

次に完璧な答えを期待せず、最終的に人間側がチェックして修正する前提で使いこなすべきでしょう。

最後に当然のことですが、人を傷つけたり、不快感を与えたり、犯罪行為や迷惑行為などの悪意を持った使い道は言語道断。選挙や戦争などの報道におけるAIを用いたフェイクニュース対策に大手IT企業が一丸となって取り組む方針が先日も示されたことで、人心を惑わす悪質なAI生成物に対する締め付けはますます強まることは確実な情勢です。今後は用途・使い方への規制がかかることが予想され、そうした規制も考慮すべきことになりそうです。