MS社AIのサービス拡大
Microsoft社は本年1月中旬「Copilot for Windows 365」(旧称「Microsoft 365 Copilot」)の提供を中堅中小企業向けにも拡大して開始しました。個人向けの有料プランもまた発表されMS社によるAI展開は急拡大を続けています。
企業向け導入要件の緩和
MS社では昨年11月、Microsoft 365 Copilotを当初は大手企業向けAIアシスト機能として正式にリリースしていました。
だだし以前は購入できるのは「E3」あるいは「E5」ライセンスを導入している大手の組織のみ、また「E3あるいはE5ライセンスを300シート(ユーザーライセンス)以上導入していること」および「Microsoft 365 Copilotライセンスを300シート以上購入すること」という高いハードルの要件付きだったのですが、その購入要件が大きく緩和されたのです。
今回、中堅中小企業(具体的には「Business Premium」や「Business Standard」プラン導入企業)であっても299シートまで制限なく購入でき、料金は1ユーザー当たり月額約4500円で変わりません。「E3」「E5」プランを利用している大手ユーザー組織でも300シート以上購入という要件は完全撤廃されました。
個人向けには
個人であってもCopilot for Windows 365の機能を使える有料サービス「Copilot Pro」も同時に発表されました。
「Bing AI」といった機能を無料で使える「Copilot」と区別するため、有料版には『Copilot Pro』と名付けられています。差分としてはCopilot for Windows 365の機能を使えることやLLMへ優先アクセスできることがうたわれています。料金は月額約3200円。
Pro版では「Microsoft 365 Personal/Family」ユーザーであれば「Word」「Excel」「 PowerPoint」「Outlook」「OneNote」といったアプリでCopilot for Windows 365が使えるのですが、Excelは英語のみ対応しておりTeamsには未対応であることをご注意ください。なお「Bing Image Creator」と呼ばれた画像生成AIは「Designer」という名前で組み込まれています。
企業向け機能の特長
Teams利用に対応、組織内に蓄積されたデータをユーザーの文脈を含めて管理、LLMと連携できるデータ管理機能である「Microsoft Graph」の統合的利用、データ保護機能、著作権訴訟等におけるMS社の代理対応といったものがあげられます。
活用例を挙げるとユニファイドコミュニケーション(UC)ツールを用いてTeamsでの文字起こしが自動的に可能となり、ウェブ会議における議事録作成や発言者の特定が容易になる高い効果を生み出します。
各アプリにおける活用例
Copilot in Word | Copilot in Outlook | Copilot in PowerPoint | Copilot in Excel | Copilot in OneNote |
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複数アイデアから下書き文章作成 | メール下書き作成(長さ・トーン調整) | 発表用の下書き作成 | データのグラフ化 | ノートの要約 |
下書き内容に基づく文書作成 | メール内容に関するアドバイス | 指定内容のスライド追加 | データからピボットテーブルの作成 | メモからTo Doやタスクリストを作成 |
文書の要約 | プレゼンテーションの要約 | 特定データの強調表示 | プロジェクトなどの下書き作成 | |
文書内容についての質問による回答 | セクションごとの整理 | データ並べ替えやフィルター適用 | 選択範囲のテキスト書き換え | |
チャットによる文章作成 | 新しい用途列の生成 | |||
文章の書き換え(長さ・トーン調整) |