「GPTs」の活用とは
OpenAI社がオリジナルAIチャットを自作できる「GPTs」機能を追加したことを先日発表。公式「GPT Store」も開始により作成したAIチャット(アプリ)の公開も可能になりました。アプリの有料販売については後日スタートとなっていますが、アプリストアのような大きな市場に成長する可能性もあり、今後の展望が期待できます。
プロンプトスキルに依存せず使える
一般的には、ある目的に特化したGPTを自作したところであまり意味がないと思われるかもしれません。現状ではChatGPTに入力するプロンプト(質問や指示)を工夫さえすれば、多くのことを誰でも実現できてしまうと考えられているから。ただしそれは、プロンプトを適切に扱える「スキル」があればという前提条件をもとにした話。
ChatGPTではプロンプトを適切に扱えるかが『肝』になります。
ここでつまづくと「難しい」とか「使えない」といった感想になってしまいがち、上達やマスターにはハードルが高いのです。ChatGPTを駆使してどんどん便利なツールを作る人とそうでない人との格差が生じてしまうのはどんな便利なツールでも起こり得ることなのです。
活用例
たとえば凝ったプロンプトをあらかじめ設定しておき、ユーザー側は単純な質問や指示をするだけで特定用途に特化したGPTを活用できるというものがあります。一例では、あらかじめ「ボディビルダーのトレイナーの役割、応答の仕方、学習の中身と手順」などが設定されていればユーザー側はそれらをいちいちプロンプトとして入力することなく、すぐにボディービルディングのトレーニングを開始できるのです。
事前にプロンプトを設定しておけば、ユーザーがそれを省けるだけではなく、GPTsでは何らかのファイルをアップロードして、そのデータを元に返答するGPTも作れるため、外部サーバーと通信してデータ取得や分析を可能にするAPI連携も可能です。他にも郵便番号データと住所をひもづけたデータベースを持つGPTs作成といったことも実現できるのです。ちなみに住所から郵便番号を調べられるGPTはすでに一般公開されています。
注意点
AIを活用するには、それ相当のスキルや知見が要求されるのは当たり前の話。GPTsにおけるチャットにおいてもGPT-4からの制限が影響します。現在、一般向けのプランではGPT-4でのやりとりは3時間あたり「40回」の利用制限が設けられており、これがそのままGPTsにも適用されるため頻繁に動作確認を行えばすぐに上限に達します。企業として本格的に『GPTs開発』をしたい場合には、企業向け有料プラン「ChatGPT Enterprise」の契約を検討する必要があるのです。