「Windows Server Update Services」(WSUS)終了への対応は

上記サービスの将来的廃止がMicrosoft社から発表されました。

これまでWindows更新プログラムをWSUSを用いて管理していた企業組織は他ツールへ移行するか否かを含め、方針を検討しなければならない局面を迎えつつあります。
管理の効率化を図りセキュリティの強化を目指すならクラウドベースの更新管理ツールを利用するようMicrosoft社は推奨していますが、一朝一夕には難しいのもまた事実。今回はこの話題を取り上げて解説します。

WSUSの代替ソリューション候補は

たとえば『Windows Autopatch』サービス、これを用いればデバイスへの更新プログラムのリリース状況をシステムが監視して更新作業を段階的に実施、デバイスが最新状態に保たれるよう更新管理プロセスを自動化できるとともにシステム担当者の負荷軽減とセキュリティ向上に効果を発揮します。

メリットは更新プログラムのリリースから評価・選択、実行スケジュールの策定と実施、更新プログラムの展開、テスト、状況監視から一時停止、ロールバックを含めてある程度、システムへお任せできるところ。もちろん、すべてを丸投げできるわけではありません。

デメリットとしてはデバイス登録作業やデバイス登録グループへのデバイス追加、準備ができていないデバイスの修復など、カスタマー側で対応しなければならないことが多々あること。

他のツールでは『Microsoft Intune』はデータ・リソースへのアクセス管理からアプリ使用・インストールの管理、情報漏えいの防止、セキュリティ管理など社外端末を含めトータルで管理運用できるツールとして知られ、端末を一元的に集中監視・管理するには最適です。

導入済みWSUSを使い続ける?!

実は「Windows Server 2025」ではWSUSは引き続き利用可能であり、明確な終了期日は明示されていないため、しばらくの猶予期間は持たされています。そうは言っても長期スパンでみれば遅かれ早かれ代替手段を検討すべきタイミングです。

しかしネックとなる観点が複数あり、それらへの対応次第ではWSUSを使い続けたほうがよい場合も考えられ、移行への判断は慎重さも要求されます。
たとえば「セキュリティ」ではこれまでWSUSを経由して適用していたパッチの問題があります、パッチを制御できなくなればセキュリティリスクは高まり運用にも支障をきたす事態となり、IT人材の不足している企業では特に問題となりそうなのです。

また代替手段を使わず(使えず)、クライアント端末ごとに更新プログラムを取得・適用する運用ではネットワーク帯域が逼迫(ひっぱく)するリスクが多分にあり、パッチ配信などダウンロードが集中すれば業務が妨げられるなどネットワーク負荷も無視できません。そうなればネットワークを増強せざるえず、再びコストが増大する恐れがあるのです。

リスクマネジメントは

予算の問題などで他ツールへ移行できずWSUSを使わなくなった場合、一番怖いのがアップデート自体を従業員に任せきりになることです。
そうなればどの端末のアップデート適用状況も分からず、管理の意味はなくなります。

そうした場合を考え、たとえば仮想デスクトップサービスを使うことも検討できます。このサービスを用いれば各ユーザーはネットワーク経由でリモート操作のみ行うことになり、アップデートや設定などを考慮せず業務に取り組めるメリットが生じます。リモート・オフィスワークなどの場所を気にせず使え、個人所有の端末でもオッケーなのです。