最新のネットワーク通信技術の活用
『Wi-Fi』インフラ整備の重要性が増すなか、スマートフォンやタブレットなど接続端末数の増加やアクセスの集中による遅延発生や切れやすさが問題となりつつあります。
その解決策として注目されているのが「6GHz」帯の活用。これは『6E』規格以降に新たに利用できるようになった周波数帯なのですが、同時使用できるチャネル数が大幅に増え、ダウンロードの遅延やウェブ会議等におけるネットワーク利用時の切れやすさを低減させる効果が高く、スループット(実効速度)や信頼性を向上、「6E」規格の9.6Gbpsから「7」規格の最大46Gbpsという4.8倍となる速度はその目玉と言える技術です。
特長
昨今ではWeb会議も自席での利用が増加したり、より快適なレスポンスが期待され、通信遅延の発生がコミュニケーションロスにつながりかねません。切れやすさや遅延が発生しやすいストレスフルな環境では生産性の向上や業務効率化も見込めません。
現状の職場環境では自宅の快適なWi-Fi環境と比較、出社時に「自宅であれば快適にインターネットにアクセスできるのに」と言った負の感情のスパイラルにも陥りがちです。
そのためユーザー体験を向上させるべく、大容量通信、かつ途切れにくく、信頼性の高いWi-Fiインフラが何よりも求められ始めています。
多くの従業員を抱えるオフィスでは特に同時アクセスが多く、大幅にキャパシティ向上につなげられるインフラ整備が特に不可欠となっています。
将来像
今後需要が見込まれるのが、たとえばAI活用であったり、ウェブ会議やウェビナーにおける高精細な画像をやりとりできるネットワーク環境整備。電波干渉が少なく、実効速度の速い快適なWi-Fiには「6GHz」帯が使えることが何よりも優先されます。たとえば施設向けなど端末側に位置情報サービスを提供したいニーズでは、より精度の高い位置情報を測位できるようになるメリットが生じます。
あるWi-Fi7対応のAP製品では、GPSレシーバーを内蔵しており、得られた位置情報も含め端末に提供できます。緯度経度が正しく取得できれば、GoogleMapのような地図情報にAPの位置をマッピング、内蔵する気圧センサーと組み合わせ、その地点のより詳細な気象情報を届けたりと新たな使い方も模索できます。
また、これまで消費電力を抑えた規格の製品であっても大容量の通信ではAPの消費電力は大きくなってしまうことが往々にしてありました。環境負荷の軽減や高騰する電気料金を考慮、できるだけエネルギー消費を抑えた設計が望ましいと言えますが、最新のテクノロジーを用いたネットワーク機器では、一般的PCのように多くの機能をいったん止めて消費電力を抑制できるモードを搭載、そうした設定により消費電力を下げられることが知られています。
進む実証実験
東京都では昨年からローカル5Gなどを含む次世代通信技術を活用した新規ビジネスやイノベーション創出を目指して都民のQOL(Quality of Life)向上に寄与する製品・サービスを開発するスタートアップ企業を支援する「次世代通信技術活用型スタートアップ支援事業」に取り組み始め、遠隔操作ロボットが家電量販店や駅構内等で活躍する光景が見られるようになっています。
これは機械に不慣れな人でもスマホやPC等で簡単に操作、ロボットの上部に搭載されたディスプレイから遠隔操縦者の顔を映し出すなどお客様とのリアルタイムコミュニケーションや店舗や駅構内のご案内に活用されています。こうした最新技術を用いて人手不足の解消や業務効率化につながる効果が少しずつ出始めているのです。