Windows11移行への理想的プランは
Windows10サポート終了まで残すところ数ヶ月、いまだ多くの企業でWindows11への移行を完了していない現実があります。導入が進まない原因と企業の思惑は・・
傾向と分析
企業にて業務利用されているOSは、やはり「Windows系」が約9割と圧倒的。スマートフォン向けiOSとAndroidOSも業務利用はされていますがそれでもまだまだ少数派。Windows以外のOSに関して「導入予定の有無」を尋ねたアンケートでも、その他OSは横ばいか微減となっています。Windowsにとって代わる兆しはいまだ見えません。
またWin10ユーザーへの移行時期を問うアンケートでも、企業の7割が来年10月を目指して移行を計画中と回答しており、「導入時期未定」としたのが2割4分、「可能な限り遅らせる」としたのが6分、サポート終了期限まで移行を計画していないと回答した企業も少なからず存在しています。
来年10月以降は、セキュリティアップデートは配信されずアップグレードしなければランサムウェア感染などサイバー攻撃被害の多発や万が一の障害発生などにも対応できない危険な状態になりかねません。実際には移行を遅らせる選択肢は現実的ではないのが実情です。
メリット・デメリットの観点
長年にわたって同じPCを使い続けている企業では、WindowsOSを使い続けるならばアップグレード要件を満たせずPCそのものを買い換えるかLinuxやChromeOS等に切り替えを行わなければいけない状況にあります。移行を計画しているか否かにかかわらず、OSのアップデートだけでは済まないのがOS移行の難しさ。これまで業務で使ってきた独自アプリケーションやデバイスが新OSに対応しているとは限らず、検証やテストの負担に耐えられない企業もあることでしょう。
ですが動作するか分からないからといつまでも指をくわえて待つ訳にもいきません。サポート期限直前まで引き延ばすのではなく、早急に対策を練ってなんとか新OSでも動かせる算段をしたり、新たなアプリケーションを導入して解決しようとするのがまっとうな考え方です。
実際には最新のWindows11PCに切り替えればAI活用に向けた機能も充実しており、超高速通信が可能となるWi-Fi7にも対応するなど業務のデジタル化や生産性の向上に直結する効果も高い。なにより古く遅いPCを使い続けるのは業務効率化を妨げる要因と指摘されているのです。
またギリギリまで移行を引き伸ばそうとする行為にはリスクも伴います。半導体の供給不足や端末価格の高騰などが発生するリスクを見据えた対応も必要です。ほしいと思ったときに手に入らないのでは本末転倒となりかねません。
もたらされる管理コスト削減やセキュリティ強化
じつはクラウドとの親和性も高い新OS。Intuneなどのデバイス管理ツールを採用してクラウドに最適化された「クラウド構成」を実現できるのがその大きなメリット。新デバイスの構成や既存ハードウェアの再利用がしやすく、全体的に統一したデバイス構成を適用させ管理コストの低下やトラブルシューティングコストの削減が可能となります。
またIntuneを用いたセキュリティベースラインポリシーや正常性を監視するコンプライアンスポリシーの作成、Windowsクライアントの更新ポリシーの作成なども容易です。Microsoft Entra IDと連携させたシングルサインオン(SSO)対応や多要素認証、デバイス管理、セキュリティの高度化などセキュリティの強化にもつながります。
クラウド基盤を活用した仮想デスクトップの活用も容易に。たとえばクラウドPCサービスWindows365もしくはエンタープライズ向け仮想デスクトップインフラ(VDI)「Azure Virtual Desktop」(AVD)を用いた仮想化環境を簡単に実現できるのです。
望ましい無償提供期間内での移行
現在のところアップグレードサービスは無償で提供されており、対応機種やWin10がインストールされた要件を満たすPCでは、新OSに比較的容易に移行することは難しいことではありません。しかし懸念点としてMicrosoft社は「無償期間はいずれ終了する」と既に予告しているのです。
同社はハードウェア要件に合致しているか事前調査できるツールやMicrosoft アカウントを使ったファイルやデータの移行サービスを提供しており、アップグレードを促進する工夫に余念がありません。サポート終了まで残すところ数ヶ月しかないなか、いかにして現場業務に負担をかけず移行を進められるか十分に検討してその策を練る必要があります。相談したい方やお困りの方はぜひ弊社にお気軽にお問い合わせください。