仮想デスクトップ環境をクラウドで実現できるサービス

概要はクライアントOSのデスクトップ(OSやアプリケーションの操作画面)環境を場所を選ばず、どこからでも使うことができるというもの。大別してBusinessとEnterpriseに料金プランが分かれ、各エンドユーザー専用に使えるWindows搭載VM(仮想マシン)を利用できるのがその特長。今回は比較的規模の小さい組織においてクラウドPCを利用してみたい方向けサービスを簡単に解説します。

クラウドPCの特長やメリットは

まず挙げられるのが、どこからでも安全にアクセスが可能になること。そのため、たとえばBYOPC (Bring Your Own PC:私物PCを用いた業務利用)を許容できるメリットが生じます。これはたとえば、リモートワーカー、派遣・契約社員、臨時・期間従業員、学生、インターン、研修生と言った方々へこれまでPCを支給していた企業にとっては小さくないメリットをもたらします。

セキュリティ保護の観点からも、このサービスを用いれば企業データへの不正アクセス、盗難、誤用からの保護が容易となり、データ損失やサイバー攻撃からのリスク低減につながりやすいメリットが高いのです。

また契約社員や臨時従業員など決められた期間雇用の人材に関して言えば、できるだけ短期間に仕事に取り掛かれることが生産性向上につながりやすいと言えるのですが、これまでは入社に際してPC支給までの手続きを含め最低でも数日はかかることが普通。クラウドPCを利用できれば、ほんの数時間のセットアップ作業で済み、これまでの業務負担の軽減になりやすい。加えて必要なスタッフ数の変動に合わせたスケールアップまたはスケールダウンも容易なのです。

絶えない情報漏洩事件への対策にも

過日大きく報道され話題となった大手損保・生保における情報漏洩事件。代理店への出向者らが顧客情報を自社へ漏洩、代理店から不当に顧客情報を窃取していたことが明らかになっています。

事件は、いわゆる乗り合い代理店に出向中の社員が店内管理の同業他社の顧客情報を自社に送付、乗り合い代理店の社員同士で連絡を取り合うメールの宛先に損保各社の担当者が含まれ、こうしたメールを通じて各社の顧客情報が漏洩していた事実が相次いで明らかになるという杜撰なもの。漏洩件数も大手損保4社でおよそ250万件にものぼることが判明、事態を重く見た金融庁により杜撰な取り扱いが業界内で横行したことへの調べが進んでおり、処分の必要性についても検討が開始されています。

こうした事案が多発する背景には、セキュリティ対策が杜撰かつリスク要因が慎重に検討されていないPC端末の運用・管理策にも原因の一端があり、会社のリソースにアクセスできる全てのデバイスは、正常かつ安全に継続的な集中管理が必要とされる所以なのです。

仮想デスクトップ環境がもたらすもの

インターネット接続を介して、どこからでもデスクトップ環境を利用できるサービスとして登場した「クラウドPC」サービスはセキュリティの欠陥を補い、規制を遵守、組織の知的財産を保護するうえでコンプライアンスを改善させる効果も高いと言えるものです。

「決して信頼せず必ず確認せよ」との原則に基づく一元的クラウドベースの運用と管理は理想的なゼロトラストの要件に近づきつつあり、少人数でも多くの業務を管理、コストを縮小しつつ予算を抑え、クラウドPC1台から数千台まで設定作業も数ステップで完了できるインパクトをもたらします。

また、このサービスを用いればエンドユーザーはデスクトップ、アプリケーション、各種設定、データ参照を含め自身のWindowsデスクトップ環境にmacOS・Linux・Android・iOSと言った様々なデバイスからアクセスが可能になるのです。

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