法改正や制度導入に左右されないITインフラ整備には

昨年開始されたインボイス制度と電子帳簿保存法の宥恕期間終了をもってメール等を用いて受領した請求書など電子取引における証憑データ保存が義務付けられました。この対応には複数の業務が関わり、システムや業務フローが煩雑化して業務の効率化が進まない状況を招いています。

解決には各部門ごとに散在するシステム統合、消費者ニーズの変化や法改正などにも柔軟に対応できるITインフラの構築・運用と言ったものが必須と言えます。特に地方の中小企業におけるIT人材が不足している現状では難しいのは当然のことですが、そういった課題の解決につながるソリューションも数多く登場しています。

たとえば基幹系と情報系システムを統合、「見積書の申請や承認」「承認した領収書を会計データとして保管」「部門間のデータ連携」「二重入力の省略」「データベース統合」「マスターやワークフロー共通化」など作業の効率化をもたらすことが報告されています。

背景

新制度や法改正対応では、会計から人事、販売、総務と言った業務や部門ごとに異なるベンダーのシステムやクラウドサービスを導入した場合には都度ベンダーごとの調整が必要となり、手間とコストを増やさざるえません。必要に応じて新たなシステムを次から次へと導入していけば、業務ごとにシステムが散在して収拾がつかなくなる事態も見込まれます。それではデータ連携ができなかったり、業務フローが分断され、ビジネススピードや生産性が悪化する事態になりかねません。

たとえば電帳法の例で申し上げると、営業担当者が電子データの証憑書類を受領後に上長承認を受け、経理担当者が確認・承認を行い、会計システムに仕分入力、ドキュメント管理システムで電帳法の要件を満たした状態にして管理します。この対応一つとっても各方面における業務システムやワークフローが関わり、都度システム導入やクラウド化の検討では手間ひまやコスト・タイムパフォーマンスの面で好ましくないのが実情です。

とくに中小ではIT人材不足が深刻化、担当者への負担が重くのしかかり安定稼働が難しいことは珍しいことではありません。クラウドおよびオンプレシステム併用による運用監視の煩雑化、障害発生時の切り分け。電子商取引の拡大による自社のシステム障害が及ぼす取引先への悪影響。中小企業を標的とするランサムウェア攻撃の急増。こうした要因により事業継続がいかに難しい課題であるか認識された方も多いのではないでしょうか。

ソリューション

そうした課題の解決を目指して開発されたのが中小企業向けに最適化された統合パッケージ製品。たとえば販売システムを用いて作成した見積書を申請・承認、承認した領収書を会計データとして保管できるなど、システムの違いを意識せずシームレスにデータを連携、二重入力をなくして業務を効率化できます。

つどつどのシステム導入では、データベースが散在、それぞれにマスター登録やワークフローの設定が必要となりますが、 統合パッケージ製品であれば統合されたデータベースを構築、マスターやワークフローの共通化により後々のメンテナンス作業も考慮した仕様。統一ユーザーインターフェイスでユーザーフレンドリーなのも特長です。

運用・管理業務の切り離しも可能

たとえば煩雑な運用・管理業務ですが、データセンターからクラウドサーバー(仮想サーバー)を貸し出して運用管理業務をすべて委託先へ代行してもらうサービスの利用も可能。クラウドサーバーは冗長構成により万が一の停止時も自動的に正常な基盤に切り替わり、業務停止は避けられるようになっています。

またランサムウェア等に感染時、データはもとよりOSの暗号化を防ぐにはシステムの再構築が必要となります。そこでイメージバックアップ機能を用いてOSを含むシステムをバックアップ、早期復旧が可能です。利用するクラウドサービスからは到達不可能なデータセンターの保管領域にイメージバックアップデータは保存されており、感染してもバックアップデータは保全される仕組みです。

何のためのDXか

新制度開始や法改正対応を引き金に業務が停滞してしまう事態はなんとしても避けたいもの、できれば効率化や生産性の向上につなげようとするのが経営者の役目であるとも言えます。そのためにも今や業務のデジタル化は避けて通れない関門の一つ。トップを含め従業員一丸となって取り組みやすいゴールを定め、相互にメリットを生み出すメカニズムが求められているのです。