広がる超高速Wi-Fiの活用シーンは
通信の効率化や遅延の発生防止など様々な観点から飛躍的に向上した新時代の高速通信。IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)では IEEE802.11be規格にて策定が進められており、今回Allianceからは第7番目の通信規格として公開が始まっています。従来規格と比較すれば最大通信速度や接続の安定性が大幅に向上、進化するWi-Fiの利用シーンの要求に存分に応えられるハイスペックを誇ります。
今回はこの話題を取り上げ解説します。
ビジネス分野
オフィスや会議室における高速なデータ転送が求められる際には、大容量のファイル共有やビデオ会議における通信の安定性向上など様々なメリットがあります。たとえば以前には頻発していた途切れ、声がきこえずらい、画像がスムーズに流れないなどの不安定な通信環境を大幅に改善できます。
また、ビジネスの拡大や縮小に伴う『有線LAN設備の整備』には配線などオフィス内装工事からルーター・ハブの設置・設定まで長ければ数日から数週間を要する大掛かりなものになりがちですが、有線LANと変わらない、むしろ有線以上に高速で安定的な高速Wi-Fi設備の工事・設置・設定であれば、そうした大掛かりな作業は必要なく容易であると言うメリットが望めるのです。
医療関連
最先端医療機器の活用やテレメディシン(遠隔医療)にも向いています。手術中のデータ転送や遠隔診断などに活用の幅が広がるため、医療の質・量ともに大幅に向上できるメリットが高いのです。既に遠隔医療に対応するシステム導入が各地で進められており、今後の医療技術の進化には欠かせない技術と言っても過言ではありません。
自動運転・ライドシェア
自動車等の自動運転技術や車載情報システムにおいて、車両間通信や車内ネットワークに活用できることが期待されています。また日本各地にてライドシェアが広がるなか、都市部において開始される自家用車活用事業(タクシー会社によるライドシェア)の導入開始による活用も検討されています。たとえば約70ヵ国で利用されているUberアプリ、まずは東京・神奈川・愛知・京都のおよそ10社の提携タクシー会社に提供され、新たに始まるタクシー会社によるライドシェア支援が始まりました。Uberでは、提携タクシー会社へのアプリの導入サポート、遠隔点呼の導入・実施、カスタマーサポートなども提供。今後、こうしたサポートにも高速Wi-Fiの活用が望まれます。
UHD(Ultra-High Definition)動画の視聴
これまで4Kや8K動画など超細密できめ細かいムービーや画像などを視聴する際には、ネットワーク環境が貧弱で不安定なものであれば、動画のスキップ発生や長いバッファ時間と言った低品質で長時間には適さないものになりがちでした。快適かつスムーズな再生にするには最適で高速な通信環境が必要であり、活用が期待されます。