HDD(ハードディスクドライブ)製品モデル別の耐久性

現在でも大容量のデータ保存時には重宝するHDDデバイスですが、メーカーごとの故障発生率の高さにブレがありどれを選ぶべきか迷うことが多い代物です。メーカーやモデル別のデータが明らかにされており、今回それを検証します。

調査に基づく発生率データ

高速で壊れにくくなった人気のSSDと比べ、HDDは時代遅れと言われますが、昨年時点においても3000万台以上の製品が出荷され、データセンターなど非常に大量のデータを扱う組織ではいまだ主流です。

気になるのは、メーカーや製品ごとの「故障発生率」の高さ。

クラウドストレージサービスを提供する米企業のデータセンターでは10年以上に渡って大量のHDDとSSDを運用した実績をもとに、自社データセンターにおけるHDDの故障発生率などの統計レポートを発表しました。

昨年第1四半期末において同センターは約24万台のHDDとSSDを管理しており、うち4400台が「起動ドライブ」(約三千台がSSD、約千五百台がHDD)。本統計レポートでは起動ドライブを除く23万7278台のHDDに焦点を当て実際の故障発生率のほか、「生涯故障率」を導き出しました。下図を参照のこと、分析対象の製品は『HGST』・『Seagate』・『Toshiba』・『WDC』の4ブランド計30モデル。

表の項目は左手から「メーカー名(ブランド)」「モデル名」「容量」「台数」「平均稼働日数」「総稼働日数」「故障台数」「年間平均故障率」になります。

全体の年間平均故障率(AFR:Annualized Failure Rate)は『1.54%』に上り、本年第1四半期のデータに挙げた下記3モデルは、昨年第4四半期から本年第1四半期にかけAFR(年間平均故障率)が2倍以上に増加する結果が出ています。

結果が良好なモデル

逆に発生率が低かったり、故障が見られなかったのは下記のモデルになりますが、総稼働日数(Drive Days)が5万日未満のモデルは統計的経過時間が不十分なため注意が必要です。

生涯故障発生率の統計データ

表の項目は左手から「メーカー」「モデル」「容量」「台数」「総稼働日数」「故障回数」「年間平均故障率」「AFRについて95%信頼区間の低値」「AFRについて95%信頼区間の高値」となりますが、右から2つの項目はLow(低値)とHigh(高値)の差が小さいモデルほど『故障率のばらつき』が小さいことを示しています。