クラウドストレージの活用
◆目次
社内データ・ファイルの散在による管理不足や検索性の低下、ランサムウェア・漏洩流出リスクなどの情報セキュリティ問題などを抱え、なかなか効率的な運用ができていないのがファイル共有・管理。
そうしたファイル運用を効率化するには何が必要か解説します。
現状の問題点
リモートワークを進めるポイントの一つが、デジタルワークスペースの整備です。働く場所やデバイスに依存しない働き方は、従業員・企業にとってのメリットは非常に大きいと言えますが、その弊害も多く出てきました。
例えばMicrosoft 365 を導入している企業のケースですが、リモートワークに伴いウェブ会議システム「Teams」利用が進み、「SharePoint・OneDrive」などのファイル共有サービスにファイルが散在して検索性が低下、必要な場合に必要なファイルがなかなか取り出せないと言った課題が見えてきました。
多くの企業はこれまで個別最適化でIT 投資を行ってきたため用途ごとにシステムが点在しており、これにより情報集約が困難でDX に必要な情報の利活用や保護が思うように進まない事態を招いてしまっています。
課題解決につながるソリューション
そうした課題を解決してファイル管理・共有などの機能を強化するにはクラウドストレージが非常に便利です。
インターネット接続環境であれば場所や時間の制約を受けずファイルにアクセスができ、ファイル共有やアップロード、ダウンロードもできます。IT ツールに不慣れな人にとっても使いやすい操作性があります。
また検索性の高さ、アクセス権限の管理のしやすさ、保存できる最大容量の拡張性といった面でも近年のクラウドストレージは優れたコストパフォーマンスを発揮しています。他社サービスとAPI 経由で簡単に連携できるのも利用メリットの一つ。
パスワード付きZIPファイル送信にとって代わる手段
個別システム内に散在するファイルをクラウドストレージ上で一元管理、利便性を損なうことなくセキュアにコンテンツを保管できるのが今の技術。
パスワード付きZIP ファイルをメールで送信する「PPAP」が廃止に進みつつあるなか、セキュアなファイルのやりとりを始めるうえでクラウドストレージが注目されています。
まずファイルのメール添付が不要なため、メール経路でのウイルス感染リスクを最小化できます。仮にユーザーが感染ファイルをクラウドストレージに誤ってアップロードしても、脅威を検知するクラウドストレージ側の機能によりダウンロードを防いでセキュリティを確保。インシデント発生時にも柔軟に対応できるようになっており業務の効率化につながります。