数年おきの「OS移行」への備え
貸与したクライアントPCにローカル保存されたデータやシステム・アプリを新PCへ移し替えることは非常に手間がかかり、セキュリティや運用面でも大きな負担になりがち。そうした負担を大きく軽減させ、セキュリティー強化やBCP対策といった観点からも有効な手立てや対策をいかに考慮すべきでしょうか?
今回はこの話題を解説します。
移行におけるポイント解説
新OS等への移行はいずれは対応せざる得ず、近年では企業にとり課題となっています。
数世代前の旧式PCを利用していた場合など、移行作業の効率化には事前に入れ替えタイミングを十分に検討して、どのように対処すべきかの事前シミュレーションが重要であり、Windows10サポート終了まで残り数ヶ月を切った現在、サポート期間内でスムーズに進めるには実は複数のポイントがあります。
そのポイントとは、下記の①~⑦点。
①「最新のパッチプログラム適用」がされているか?
②「パスワード・データやシステムへのアクセス制限などを含むセキュリティポリシーの設定」が情報システム担当者等に把握されているか?
③「ファイアウォールやインターネットセキュリティ設定、ポート制御等のセキュリティ対策」を随時見直しできているか?
④「脅威の検出やマルウェア対策、侵入検知、ファイアウォール、デバイス・アプリ制御などの端末(エンドポイント)保護の仕組み」を柔軟にとりいれているか?
⑤「セキュリティ意識の向上への取り組みや脅威への対処方法に関する従業員教育」が適宜実施されているか?
⑥「OS移行時のデータ損失に備え、迅速に復旧できるよう復旧対策を策定」されているか?
⑦「移行前セキュリティ評価やペネトレーションテスト(不正侵入を想定したテスト)」を実施できているか?
課題を解決には
まず必要なことは、目的を明確にスケジュール・予算を含め綿密に計画、移行に向けたプランを関係者間で共有・実施体制を整備運用すること。
また移行の専門知識を持つ人材を確保すべきです、エキスパートが適切な事前準備やトレーニングを指揮すれば、移行作業を効率的に推し進めることは比較的容易です。
さらには移行前に不要・不整合なデータをチェックして削除・修正ができれば、移行後にもシステムやアプリの動作や品質を高めることができ一石二鳥です。移行元と先でのデータ形式が異なる場合に備え、データ変換ツールを用いた整合性を保つ取り組みも重要になってきます。
データ移行を効率的に行うツールを最大限活用することも不可欠、移行に伴う時間とコストを大きく削減できる可能性が高まります。
事前準備やテストの必要性
たとえば移行前にテスト環境を構築して作業を行い、問題がないかを事前に確認できれば本番環境でのトラブル回避につながります。また進捗状況を逐次モニタリングしながら、問題発生に備えておくこと。
そして最後に移行後のデータ検証がもっとも決定的要素。
システムやアプリの動作から移行データに問題がおきていないかをきちんと検証しておくことで、移行後のシステムの品質を高め安定的でセキュリティを確保した運用体制を敷くことができるだけでなく、数年おきに発生する移行にも万全を期す対応力を磨くことにつながるのです。
ご相談はお早めに
システム要件を満たさないPCに新たなOSをインストールしようとすれば『要件が足りない』と警告され、歴代OSのなかで移行に最も要件が厳しく要求されるようになった今回、いかにして課題と向き合い、ハードルを超え移行を進めていくのか?
残された時間はわずかしかありません。