ストレージ別の消費電力性能比較

HDDとは異なり駆動部品のないSSDですが、実際のところ消費電力やデータ転送速度は両者でどれくらい差が出るのか検証してみました。調査対象のストレージは最新版ではなく数年前の一般的モデルですが、ご購入の際の一助になれば幸いです。

双方とも『電力消費量の測定』には家庭用の検電器(1秒間隔で計測)を用い、ACアダプタ(12V/5V出力)に接続してドライブごとの「起動・Read(読込み)・Write(書込み)・Idle(待機時)」における最大値を簡易に目視計測。稼働時に関しては8GiBのデータを連続Read/Writeしたときの速度を対象としています。

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比較衡量(HDD)

HDDでは「起動」時の電力消費が非常に高いことが一般的に知られていますが、内蔵ディスクを初期静止状態から急回転させるため大きくなるものと見られます。特に3.5インチサイズのものでは内蔵disk枚数が多数搭載されたものほど「Read/Write/Idle」時よりも大幅に大きくなる傾向が見られ、2.5インチに関してはそもそもdisik枚数が少なく、3.5インチとくらべ小さいことからそれほど大きな差はでないようです。

HDDの目安消費電力およびデータ転送速度
モデル種別起動(Start)時読込み(Read)時書込み(Read)時待機(Idle)時
※非省エネモード
NAS(14TB/8disk/7200rpm/3.5inch)21W10W9W7W
Enterprise(2TB/5disk/7200rpm/3.5inch)23W13W13W9W
Mobile(1TB/2disk/5400rpm/2.5inch)5W4W3W1W
※稼働時データ転送速度読込み時書込み時
NAS(14TB/8disk/7200rpm/3.5inch)260MB/s250MB/s
Enterprise(2TB/5disk/7200rpm/3.5inch)130MB/s130MB/s
Mobile(1TB/2disk/5400rpm/2.5inch)100MB/s90MB/s

比較衡量(SSD)

SSDは内蔵駆動部品がなく、起動時の電力が少ないことが特長。最も電力消費が高いのは「Read/Write」の際です。
24時間動作や安定した性能が要求されるEnterpriseSSDはConsumer/ClientSSDにくらべ消費電力は高く、高い効率性を求められます。これは電力喪失時などデータロスを防ぐデータ保護機能を強化しており、コンデンサと言った部品点数が増えていることも関係するようです。

SSDの目安消費電力およびデータ転送速度
モデル種別起動(Start)時読込み(Read)時書込み(Read)時待機(Idle)時
Consumer/Client480GB1.3W2.5W2.5W0.9W
256GB1.4W3.5W3.4W0.9W
500GB2.7W2.9W2.9W2.1W
2TB3.1W3.4W3.4W0.8W
Enterprise480GB3.1W4.7W4.8W1.7W
1.92TB2.9W4.2W4.4W1.8W
3.84TB3.3W4.4W4.4W1.9W
7.68TB3.8W4.4W4.9W1.9W
※稼働時データ転送速度読込み時書込み時
Consumer/Client480GB559MB/s509MB/s
256GB506MB/s403MB/s
500GB560MB/s466MB/s
2TB499MB/s511MB/s
Enterprise480GB535MB/s485MB/s
1.92TB538MB/s525MB/s
3.84TB531MB/s516MB/s
7.68TB536MB/s519MB/s

注意点

HDD・SSDを増設する場合やPCを自作するケースでは特に消費電力が大きな問題になります。消費電力が大きいモデルでは、ノートPC本体と接続時に増設ハードウェアの消費電力が大きいとPCバッテリーまでも消耗させ、外出先での使用に悪影響を及ぼします。これを防ぐには、コンセントから直接電源を取れるタイプを使用すれば回避できますが、今度はコンセントのあるところでしか使用できないデメリットが生じます。

またデスクトップPCでHDD/SSDの増設する場合、USB接続の外付けタイプやPC本体内蔵タイプいずれの製品もあります。当然電源コンセントに接続して使用のため、どちらを選択しても消費電力の増大によるバッテリー消耗は発生しません。自作PCの内蔵HDDを選ぶ場合も同様です。

懸念点として、たとえばデスクトップPCには「電源ユニット」が内蔵されており、各パーツへ電力を供給しています。消費電力の合計が電源ユニットの供給能力(電源容量)を超えると動作が不安定になり電源自体が切れるケースが発生します。電源容量の限度を超えないようHDD/SSD等の増設や自作PCでは消費電力を事前にチェックしておく必要性があります。

ストレージの消費電力が高くなるほど、時間あたりの電気料金も高くなっていきます。高騰する電気料金を考慮して省エネタイプの製品採用を検討すべきタイミングではないでしょうか?
たとえば古くなったネットワーク機器やストレージ製品を高性能かつ省エネなものに入れ替えることで少しずつではありますが、電力消費の節約につながり全体コストを押し下げる効果が生まれます。