Wi-Fi6導入で得られる高いメリットとは
従来利用していたWi-Fiに比べ近年登場した第六世代Wi-Fi6のメリットを端的に説明すると「通信速度の大幅な向上」および「大容量コンテンツデータ対応」です。4K/8Kの高画質動画やAR/VR/MR(拡張、仮想、複合現実)、AI(人工知能)、Iot、e-スポーツといった大容量かつ通信負荷の高いコンテンツや画像処理があってもストレスなく快適に利用できるよう改善され、今後の業務・ビジネスシーンにおいてもデファクトスタンダードになることは間違いありません。今回はこの話題を解説します。
従来型Wi-Fiとの最大の違い
前述した「速度の向上」ですが、具体的には『最大通信速度』と『同時接続時の速度』の2種の速度を向上させることを実現しています。
最大通信速度については、従来の「6.9Gbps」から約1.4倍である『9.6Gbps』になり、利用できる周波数帯域も2.4GHz/5GHz帯と拡大されています。1024QAMの符号化方式の採用で1度に伝送される情報が8ビットから10ビットに大幅にアップグレード、最大伝達速度も1.25倍に改善されています。
次にクライアント同時接続時の速度ですが、フリーアドレスオフィスやテレワーク用ノートPCの普及で1台あたりの無線アクセスポイントに繋がるクライアント数はますます増加傾向にあります。
ところが従来型Wi-Fiではその性質から無線アクセスポイント1 台あたりのクライアント接続台数が増えるほど遅延が発生。理論値では800Mbpsの速度であっても、100台が同時接続すれば当然一台あたりでは8Mbpsのパフォーマンスしか発揮できません。他にも同時接続によるコリジョン(データ同士の衝突)が発生して起こる遅延も課題となっていました。
そこで複数台の端末が快適に通信できる高速道を整備する速度向上(スループット向上)を目指してWi-fi6でも採用されたのが、MU-MIMO(エムユーマイモ)。この技術は送信・受信側の双方で複数のアンテナを用意、通信を多重化、伝達するデータ容量を増やして通信を高速化させますが、従来型に比べると起動した複数アンテナを同時にクライアントと通信させるため同時並行通信が可能、待ち時間軽減・伝達の効率化・速度向上にもつながりました。
実際の通信速度の計測結果
従来型の最大速度帯(Mbits/sec) | Wi-Fi6の最大速度帯(Mbits/sec) | Wi-Fi6の平均速度帯(Mbits/sec) | |
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80MHz | 430~480 | 800~850 | 300~350 |
40MHz | 190~240 | 400~450 | 340~390 |
20MHz | 90~110 | 200~240 | 100~140 |
まとめ
AI/Iot の業務への積極活用やDX実現を図るうえで通信インフラの整備の取り組みは経営課題の一つ。事業を効率化して生産性を高めるには従来の通信規格では将来対応できなくなる可能性が高まっています。先を見越してIT補助金などを活用、設備投資を図る絶好のチャンスです。お気軽にお問い合わせお待ちしております。