DXにより薄利多売から脱却した成功事例のご紹介

福井県のある老舗パンメーカー様は、2000年代の経営危機を切り抜け『生産管理』を始めとするDX化を図り順調に売上を伸ばしました。

そこにどんな取り組みがあったのかご紹介します。

ビジネスモデルは発注からスーパーの売り場づくりまで、自社で一貫して行い、店舗で売れた分がそのまま売上となる。営業担当が売り場を回り、その日の計上内容を把握、翌日の販売計画を立て、製造部門に発注するというもの。

食品製造業は、製造原価が見えにくい。と言うのも消費期限があり損失が出やすく、物価変動による一人当たりの利益が出にくい体質。

また日用の食料品は、生活に直結するためすぐに価格を上げるということも難しい。

そこで製品を提供するうえで重要な要素となる『生産管理DX』を手始めに業務の整備・改革に取り組みました。

当初、商品ごとに違う作業時間、商品の製造順番、製造ラインの従業員スキルなどの個別要素を「記録・分析・数値化」

生産性を向上させていくための切り口を『見える化』させたことで仕込みに何分かかり、成形に何時間、何人で取り組み、焼きに何分かかり、包装に何人で何分かかったか、1000個で何時間かかったか、というデータがとれ、1個あたりの原価や利益が正確に導き出せるように。

こういった数字が出せると、手間がかかっても利益が出るものは生産する必要があり、手間がかかって利益が出ないものは逆に生産しなくてもいいという判断もできるようになりました。

加えて製造現場のデータは、現場作業者がタブレットを使って随時入力。現場の従業員が勤務を開始する際に名前を入れると、その日の目標生産量が種類ごとに画面上に表示、何時までに何を何個生産するかも一目瞭然となるシステム。

作業の進捗具合は、現場のモニターにリアルタイムで表示。例えば、モニターには「90分遅れ」などと画面上に表示され、現時点で目標生産量に対して何が、どのくらい遅れているのかなどの状況が一目でわかる。

現場で作業の進捗状況が把握できるので、早く終わった人が遅れている作業の協力に入ることもできます。