日々の業務を変革させるAI活用策

たとえば、いまやどんな部門であっても業務でExcelやWord、Powerpoint等の資料やファイルを作成したり閲覧したりと使わないことはほとんどないと言っても過言ではありません。
そういった日常業務に活用されているOfficeアプリですが、AIをうまく使えば生産性を格段に向上させる可能性が高まるのです。

有効活用の事例

たとえばExcel表内に数千セルと複数のデータ型(データの種類や形式)がある場合、これまでデータを操作して編集・加工、アウトプットするには、ネットや詳しい人に機能や使える関数を聞いたり調べたりして行うのが一般的でした。

ところがAIを用いた場合、データをどのように操作したいか的確に指示すれば代わりに実行でき、グラフ作成させたり、A列の合計とX列の合計との比率を計算する関数を口頭指示で実行させたりとこれまでは難しかった高度なテクニックも代行してくれるのです。

またWordでは長くて読みづらい文書の要点を短くまとめ、間違った文法や表現を修正、文章をより分かりやすくこなれた表現に変更したり、簡単なアウトライン(文章の枠組み)から自動的に原稿草案(ドラフト)を生成したり、契約書等の文書を確認して新旧の語句の違いを見つけだしたりと業務効率化にはもってこいなのです。

他にも「Word」や「 OneNote」で作成した骨子となる素材からプレゼンテーション資料を生成することもお手のもの。
作業例をあげるとプレゼン編成の変更やスライドの検索、概要作成、ブランドに関するデータを基にした画像生成、重要データを維持しつつ情報を集約、発表用ノートの追加などプロンプト指示から実行できるのです。適切なテンプレートやフォントの決定、適正な順序づけなどの作業もプロンプトに従い代行してくれるのです。

利用の注意点

AIが生成するコンテンツには不適切なものが含まれる可能性があり、生成されたコンテンツを随時確認して必要に応じて編集、微調整を行う必要があります。また生成コンテンツはあくまでユーザーを補完するものであり、頼りすぎは禁物。

生成コンテンツは必ずしもオリジナルコンテンツに自動的に変更されるわけではなく、あらゆる選択肢から自ら考え選択して反映させる際には配慮も必要です。またWordとPowerPointなどアプリケーションを連携してプレゼン資料等を生成する場合には、参照文書を共有の場所に置く必要があります。

生成AI製品別の比較

今や多くのユーザーを抱えシェアの高い「ChatGPT」、言語処理に優れ、尋ねられても理解できないことがほとんどないと言われるほどです。そのため初心者にはもっとも使いやすいツールであり、多様なファイルタイプにも対応、多くのブラウザをサポートしている点でもユーザーフレンドリーで使い勝手がよいと言えます。

次に「Gemini」はGoogle Workspace製品と統合した使い方ができるのが特長です。テキストやコード、オーディオ、画像、ビデオを含む多くの情報源を横断して機能させることができ、拡張性も高いことが知られています。

「IBM Watson」では生成された顧客データの分析、不正行為の検出と管理などにも活用されており、自然言語理解や迅速な回答に定評があります。

 「Copilot」は、ユーザーからのプロンプト指示を通して、Microsoftの持つ幅広いテクノロジーのサポートができることに焦点を当てています。このサービスが提供する重要な要素はMicrosoft製品と機能を統合できる点ですが、実は生成された情報のみを最終ドキュメントとしてそのまま流用することは推奨されていないのです。