進化を続けるオンライン会議ツール

ハイブリッドワーク(オフィスとテレワークを組み合わせた働き方)が新型ウィルス蔓延以降に普及、こうしたツールの必要性は高まり続けています。その中でも代表的ツールは2つ。言わずと知れた「Microsoft Teams」(以下、Teams)とZoom Video Communications(以下、Zoom社)のツール「Zoom」。どちらもテレワーク支援に欠かせないものですが、使い勝手や備える機能、連携可能なツールには複数の違いがあります。今回、両ツールの機能および料金体系、自社運用に最適なのはいずれかなどを含めて簡単に解説します。

Microsoftによるオンラインツール普及戦略

2017年にMicrosoftは「Skype for Business」の後継ツールとしてTeamsを発表。当初は、サブスクリプション形式のオフィススイート「Microsoft365(旧Office365)」の企業向けプランのみにて利用可能でした。その狙いは巧妙でMicrosoft365サービスの一環としてTeamsを組み込み、ユーザー企業がTeamsを採用しやすくなるよう仕向け、他社のコラボレーションツールよりも優位に立とうとするもの。

もともと小規模企業向け「Business」シリーズおよび大企業向け「Enterprise」シリーズにバンドルされていました。昨年12月時点における料金は、最も安い「Microsoft 365 Business Basic」プランの1ユーザー当たり月額6ドル(日本版は750円)から、最も高い「Microsoft 365 E5」プランの1ユーザー当たり月額57ドル(日本版は7130円)となっています。

無料版の機能は有料版と同じですが、いろいろと制限も。
例えば、利用可能なファイルストレージ容量は有料版では1ユーザー当たり1TBですが、無料版ではチームで利用できるファイルストレージ容量は10GB、1ユーザー当たり2GBまでに制限されます。無料版はWeb会議の録音・録画など一部機能を利用できません。ツールが備えるさまざまなコラボレーション機能をフル活用したい企業にとっては有料版一択と言えます。

オプション機能を追加のためアドオンライセンスを購入することも可能です。これは電話、PBX(構内交換機)、PSTN(公衆交換電話網)、音声会議などの機能を利用したい場合の選択肢。購入できるアドオンライセンスは、契約するプランの種類によって異なります。

例えばBusinessシリーズの3プランいずれかの利用企業では、通話プラン付きアドオンライセンス「Microsoft Teams Phone with Calling Plan」(国内通話付きTeams電話)か、通話プランなしの「Microsoft Teams Phone Standard」(Microsoft Teams電話スタンダード)を選択できます。日本国内でTeamsによる電話発着信を利用するには、PSTN経由の直通電話番号とPSTNのルーティング(経路制御)にサードパーティーのサービスの使用が条件となり、前者が選択肢となりそう。Microsoft Teams Phone Standardライセンス料金は、昨年12月時点で1ユーザー当たり月額8ドル(約1000円)となります。

Zoomとの比較

Teamsの長所は、Microsoft365に含まれている他ツールやサービスと同じく導入・管理できること。企業がオンプレミスサーバやソフトウェアを用意する必要はなく、Microsoft365の管理ポータルサイトを通じてユーザーや端末をそれぞれ管理できるのです。そのためTeamsにおける導入・管理はシステム管理者にとっても大変魅力的なものです。

画面共有、ホワイトボード、会議中のチャットと言った機能は、両ツールとも備えています。不特定多数の視聴者に対して最大同時参加者数1万人規模で会議内容をストリーミングできる「ライブイベント」機能についてはTeamsしか対応できません。またID・アクセス管理用ツール「Active Directory」と連携してチームメンバーを管理、Microsoft Outlookの「予定表」と連携させたりすることもできるのもTeamsだけです。

Teamsはどちらかというと企業間というよりも同一企業内のWeb会議用に使用されるケースが多いと言われています。企業間においては、Zoomや「Cisco Webex」などのツールを使用する方がよりスムーズに開催できると考えている方が多いようです。

Zoomのメリット・デメリットは?
無料版を用いて開催できる会議は参加者数が最大100人、1回の会議時間は40分に制限されています。クラウドストレージに録画データを保存する「クラウドレコーディング」は利用できません。有料版のプランは4種類(昨年12月時点)。プランごとに最大会議参加者数、サポートの利用範囲、URLのカスタム機能「バニティURL」、SSO(シングル サインオン)、利用可能なクラウドストレージの容量などが異なります。ユーザー側が導入に必要なのはクライアントソフトウェアのインストールのみ。設定と管理はポータルサイトで変更できます。

UI(ユーザーインタフェース)がシンプルで直感的。多くのデバイスやOSで見た目や操作に統一感があり、ITに詳しくない従業員でも使いやすいと言われています。料金はProが15.99ドル(2125円)、Businessが21.99ドル(2999円)、Business Plusが26.99ドル(3438円)となっています。

それぞれの優位性

Zoomは使いやすさに関して一定の評価が高い。Web会議を行う際に利用する企業が多く、現状でも人気のあるツールの一つ。一方、Teamsに関してユーザーは、音声通話、ビデオ通話、チャット、ファイル共有と言ったマルチ機能を持つ総合的コラボレーションツールとして評価しています。

将来像は

Teamsは、企業にとって信頼できるコラボレーションツールに進化したと言えそうです。Microsoft365は企業向けに広く普及しており、そのため各サービスと標準で連携可能です。ユーザー企業にとって大きな長所であり、Zoomでは簡単にまねしづらい要素。

Teamsに負けないようZoom社も機能拡張に取り組んでいます。例えば同社のサービスを使い、PSTN経由の通話システムを「UC as a Service」(サービスとしてのユニファイドコミュニケーション)型のクラウドサービスに移行が可能です。これにはIPネットワークで音声を送受信する技術「VoIP」(Voice over IP)を使用する新サービス「Zoom Phone」および新パッケージプラン「Zoom One」を使用します。

TeamsとZoomの併用についてもZoom社はTeamsからZoomの会議を開催できる参加用アドオンを提供しています。これを利用すれば両者のツールを行ったり来たりする必要がなくなり、時間の浪費を避けられるため会議参加者の混乱軽減に役立つはずです。

より自社に適したツール導入には

いずれかを選ぶ際、考慮すべき観点は?

1つ目は、音声通話やWeb会議にとどまらず、チャットやファイル共有、企業向けPBX(構内交換機)やPSTNサービスなど、総合的なコラボレーションサービスが必要かどうか?
必要であればTeams選択が理にかないます。

2つ目は、Web会議と音声通話しか使用しなかったり、社外の人を会議に招待したりするか?
「そうしたことが多い」ようであれば、UIが洗練され使いやすいZoomを選ぶ方が理にかなっているという判断になりそうです。

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