Windows11への移行に備える
Microsoft が2021 年10 月に一般公開したクライアントOS「Windows11」。同社はこれまでの「Windows」よりもWindows11のシステム要件を厳しく制限しました。以前のOSのアップグレード時よりハードルが上がったとも言えます。今回はこの問題を取り上げます。
◆目次
11への移行を難しくする「鬼門」のシステム要件
比較的最近に製造されたCPU を搭載するPC でも、Windows 11 のシステム要件を満たせない可能性があり、セキュリティ関連のシステム要件が厳格化したことも古いPCでのWindows11 の利用を難しくしています。
Windows11 にアップグレードするには、PC が「Windows10」のバージョン2004以降にアップグレードしている必要があります。Windows10よりも古いWindowsを搭載するPCは、Windows11アップグレードをする前にWindows10へのアップグレードが必要です。
Windows11へのアップグレードを進める上で問題となる「システム要件」。主要な3つのシステム要件を下表にて確認しておきましょう。
プロセッサ | Intel の「Intel Core」シリーズでは第8 世代以降のモデル AMD の「AMD Ryzen3」シリーズ「AMD Ryzen5」シリーズの主要モデル Qualcommのプロセッサは該当するものが限られており、 Windows11で利用可能なのは「Snapdragon」シリーズ8モデルのみ。 |
システムファームウェア | 標準規格「UEFI」(Unified Extensible Firmware Interface)に準拠したシステムファームウェアの搭載が、Windows11の稼働に必須。UEFI 準拠のシステムファームウェアは、PC 起動時にソフトウェアのデジタル署名を確認して検証する「セキュアブート」が可能。ただしWindows 11 のシステム要件では、セキュアブートの有効化を必須にしていない。 |
TPM 2.0 | 標準規格「TPM」(Trusted Platform Module)のバージョン2.0 に準拠したセキュリティハードウェアを搭載するか、ソフトウェアでエミュレーションする必要がある。PCの起動プロセスを保護し、パスワードをはじめとする重要な認証情報を保護する |
新OSの最大のメリット
アップグレードによる最大のメリットは、セキュリティの大幅な向上。プロセッサや「TPM」(Trusted Platform Module:セキュリティハードウェアの標準規格)といったハードウェアシステム要件は、より強固なセキュリティ制御の実現につながります。
導入状況
2022年10 月に公開されたレポートでは、調査対象の企業組織で稼働する約2700 万台以上のWindowsOS搭載PCのうち、Windows11が動作していたPCは2.61%にとどまっています。「XP」(1.27%)を上回ったものの、まだ「Windows7」(3.38%)を下回っているのが現状。
同レポートによると、調査対象の3000 万台以上のWindowsOS搭載PCのうち、42.76%が『プロセッサに関するWindows11のシステム要件』を満たしていませんでした。企業は保有するPCを精査検証したうえ、アップグレード対象PCがどれだけあるのか早急に判断する必要があります。
まとめ
企業・組織はOS11の導入に備え、早めに動いておく必要があります。直前になって慌てているようでは、半導体不足の到来など不測の事態で間に合わない可能性もあり得ます。
お困りの場合は弊社にお気軽にお問い合わせください。