自治体DXの取り組み事例紹介

新庁舎移転を機にデスクトップ PC を全廃して全職員に高パフォーマンスノートPCを導入したある区役所様。2023年には、さらに生産性向上を目指して約2000台の PC の一斉リプレースに踏み切りました。今回はその事例をご紹介します。

◆目次

  • 高い品質を伴った区民へのサービス提供
  • サービス品質向上に投資を惜しまぬ姿勢
  • 2000台をWindows11端末へ更新
  • ハイパフォーマンスと基本性能への高評価
  • リーダーシップをとりICT基盤を整備・運用
  • 昨今、自治体はよりきめ細かな行政サービスが求められていますが、デジタル化による生産性向上でこの難題を乗り越えようとしています。区民が自宅からスマートフォンであらゆる行政手続きができるよう窓口業務の電子化を進める「マイポータル」にユーザー登録した区民がパーソナライズされたポータルを利用できるまでになっています。

    現場の生産性向上のポイントになるのが、職員が利用するエンドポイント環境。区では2019年デスクトップ PCを全廃して全職員に「Windows 10」搭載のノート型モダンPCを導入。その後4年を経て、約2000台のPCをリプレースすることになりました。職員のパフォーマンスを最大化した工夫を掘り下げます。

    高い品質を伴った区民へのサービス提供

    今では区のDXへの取り組みを参考にするため全国の自治体職員の方々が日々見学に訪れます。取り組みのコアにあるのは徹底した生産性追求。

    高い品質の区民サービスを提供するため、DX の「D」(デジタル化)については『単純業務』をデジタル化、RPA(Robotic Process Automation)やAI(人工知能)に任せ、それによって浮いたリソースで「人」でなければできないフェース・ツー・フェースのサービスを充実させDXの「X」(トランスフォーメーション)につなげ、全業務を見直してエンド・ツー・エンドでデジタル化を目指しました。

    生産性向上を実現する便利なツールや仕組みが複数存在するなか、いち早くそれらを導入して利用を促進、複雑な問題を解決するには手っ取り早く進められスピードアップに繋がると述べています。

    サービス品質向上に投資を惜しまぬ姿勢

    区長は、それまでの保守的な IT 環境を大きく転換して大胆な改革を推進。職員の意識変革を進めながらさまざまな取り組みを短期間で実現。財務を見る立場からも、特に ROI(投資利益率)評価を徹底しました。やみくもに安さを求めず、ストップウォッチ片手に作業時間を算出しながら選択肢を定量的に評価して判断。厳密な根拠の提示を求め、効果が見込めるところへの投資は惜しまず実行する姿勢を取り続けました。

    行政サービスを提供する区の主役は区民と接する現場の職員達。彼らのパフォーマンスが最大化されるには、働きやすい環境をつくることが行政サービスの品質向上のうえでも重要です。

    今回のPCリプレースでは、各種アプリケーションライセンスやヘッドセットも含めると1台当たり30万円近い製品を導入。『血税で導入する業務端末としてはぜいたく過ぎる』と考える方もおられますが、長時間業務で利用するものだけに、高い処理能力がもたらす生産性向上やセキュリティ面などを考えるとROIの優位性は明らかです。

    自治体業務向けでは当たり前だった『安かろう悪かろう』の設備調達から脱却、まずEmployeeSatisfaction(従業員満足度)向上からはじめ、CustomerSatisfaction(区民満足度)向上につなげる――ことにこだわりました。

    こうして2023年、区は全職員のPC(約2000台)をハイパフォーマンスモデルPCへリプレースを決定。一度に全てのPCを切り替えたのは運用管理の煩雑さを排除するため。種類の異なる PC を使っているとサポートやメンテナンスもその種類の分だけ増え、ハードウェアやBIOSを含むセキュリティリスクの把握も複雑になるから。

    2000台をWindows11端末へ更新

    区はPC選定に庁内での利用はもちろんテレワークや屋外での業務なども想定。庁舎外での業務に際して課ごとに管理するモバイルWi-Fiルーターを利用していましたが、利用希望者に対して数が不足したり、紛失等のセキュリティリスク発生など多くの問題がありました。

    そのため単体で5Gネットワーク通信が可能なPCを採用して問題解決を図りました。

    また区では早くからコア業務における SaaS などクラウド利用を想定してVDI(Virtual Desktop Infrastructure)を導入。Webアプリを利用する際のネットワーク分離など早々に対応しており、アプリ互換性やセキュリティ設定管理の見直しなどのPCリプレースやOSアップグレードに伴う問題は生じませんでした。

    区ではテレワーク職員を中心に個人所有デバイスの業務利用<BYOD (Bring Your Own Device)>を積極的に推進しており、これら端末のセキュリティ対策にデバイス管理やポリシー管理を担う『Microsoft Intune』を導入しています。

    ハイパフォーマンスと基本性能への高評価

    PCリプレースから3カ月ほど経過、最上のスペック構成で統一しただけあり職員はPC端末の能力に満足しているとのこと。

    リプレース前のPCでは、マルチタスクを実行する際には動作が遅くなりがち、職員からは『より大容量のメモリを搭載した PC を使いたい』との要望が常に上がっていました。

    新PCは最低16GB以上のメモリと5G通信モジュールを搭載、「いつでもどこでも起動が早く、サクサク動く」「テレワーク時の処理能力が高く5G通信モジュール搭載でWeb会議立ち上げがスムーズ」「標準搭載のノイズキャンセル機能や高性能マイクでWeb会議の音声が聞き取りやすい」など、スピードやWeb会議のしやすさに関する肯定的反応がほとんどで職員満足度調査では評価の向上が見られました。

    リーダーシップをとりICT基盤を整備・運用

    「区長は職員と対話を深めながら意識改革に取り組み、生産性向上にとどまらず職員の働きやすさも追求してきました。リーダーシップがなければ ICT 基盤の整備と職員の意識改革は実現できなかった」と関係者は語ります。

    「以前はPC 調達に限っても『とにかく1円でも安く』とコスト削減を追求していました。ところが新区長就任直後に打ち出したICT改革戦略は以前とは真逆のもの。ROIの妥当性をしっかり算出すれば妥当な購入金額を算出でき、生産性が高まるならば投資は回収できる。最新のPC・OSやソリューションの組み合わせにより管理も効率化でき、セキュリティリスクも軽減できます。PC 調達に限らず必要な予算を確保したため、スピード感を持って ICT 基盤を整備でき高い費用対効果がもたらされた」(関係者)

    今後は『Microsoft Intune』『Windows Autopilot』を組み合わせた端末管理の効率化、話題のジェネレーティブAIの業務活用による生産性向上の取り組みなどをさらに進展、区民サービス向上につながるDXを展開していく予定です。

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