Windows11アップグレードの注意点
期限が迫るWindows11へのアップグレードをスムーズに完了させる注意ポイントや理想的アップグレードには何が必要でしょうか?
リモートワークの広がりを考慮すると社内ネットワークを介したアップグレード以外も検討するべきではないでしょうか?
またアップグレード用のプログラムダウンロードに伴うネットワーク帯域の不足問題やデータ移行作業からアップグレードが無事に完了するまでの個別フォローといったサポート面も考慮すべきポイント。
通常業務への負担をいかに減らせるか
まずは既存のWindows10端末との適合調査や業務利用しているアプリケーションとの互換性チェック、検証およびリプレーススケジュール策定を検討する必要がありますが、通常業務で使用しているPCの場合には業務時間外にそうした調査を行う必要が出てきます。
ほかにもパッチ管理が社内PCにしか対応していない場合、社外PCについてはパッチが未適用の状態にならないように対処すべきセキュリティ問題もあります。
そして業務への悪影響を抑えたアップグレードの実施を検討する場合、ネットワーク問題が生じがちです。
なぜなら年に1回リリースの「Feature Update」のファイルは容量が大きく、ファイルダウンロードの際に帯域制限しなければネットワークが圧迫され通信が不安定となり通常業務に悪影響を及ぼしかねません。
さらにアップグレードに失敗したPCを特定するには何台のPCにアップグレードファイルを配信したのか?そのうち何台が失敗したのか?失敗した端末のホスト名や利用者名など随時把握、収集する必要が出てきます。アップグレード未完了のPCがなくなるまで、もしくはPCが対応機種にリプレースされるまで繰り返さなければなりません。
PC端末の空き容量からTPM2.0(Trusted Platform Module 2.0)への対応やファームウェアのセキュアブートが有効になっているかなどアップグレード要件の確認には意外と手間ひまがかかるもの。ファイル配布に失敗してしまうリスク、端末が起動できないアクシデントなど様々な状況に対処する必要があるのです。
アップグレードの注意点
まずアップグレードに際して課題となるのが、オフィスや事務所、自宅など場所を問わずにアップグレードの実施ができることやパッチ適用ができることです。これができないとセキュリティ上の抜け漏れとなり重大なリスク要因となります。
次に通常業務に影響を与えないため、アップグレードファイル展開時に使用するネットワーク帯域を制限できるかも重要なポイント。業務PCを全台一斉にアップグレードしようとすれば他の業務に悪影響が出かねません。アップグレード失敗時についても事前に考慮すべきです。失敗時に備え、レジュームやリトライ機能を活用できれば手間ひまなどの負担軽減になります。
IT資産管理ツールの活用も
アップグレード要件に適合しないPC洗い出しやファイル、アプリケーションの一斉配布、リモート操作などができ移行に伴う業務を効率化しやすいのが『IT資産管理ツール』の活用です。これを用いれば全PCのハードウェア情報とソフトウェア情報を正確に把握、自動的に情報を収集、常にハードウェア・ソフトウェア台帳を取得して最新状態に保ちます。好みのタイミングで台帳を更新、従業員や所属部署をひも付けてPC管理もできるのです。
ツールの多くは部署単位などでグループ管理でき、ファイル、アプリケーションの一斉配布機能を用いて特定部署にのみWindows更新プログラムを配布もできます。専門知識を持たずとも操作しやすいものもあり、配布後のファイルの正常性チェック機能を備えたものも数多く存在します。
更新プログラムは一斉配布より配布済み端末から未配布端末へファイルを渡すリレー形式の方がエラーを抑えやすい傾向にあります、こうしたツールを用いればPC管理や移行作業担当者の業務負担を軽減、ハード・ソフトウェア、ネットワークなどとの適合性チェックもできてスムーズにWindows11へ移行しやすいのです。