効率化や生産性向上につながりやすいPC機種の選定要素

AI処理に強力なパフォーマンスを発揮する「Copilot+PC」が各メーカーから発表され、将来的にビジネスシーンでの効率化や生産性向上を左右すると言っても過言ではないのが、業務に最適化されたPCの選定。企業や組織の情シスを担う方々にとっては特に、重要な責務の一つ。

業務内容しだいで必要スペックは変わるため、新たに登場するモデルの情報収集は選定担当には必須。スペック不足では社内から不平不満が出るだけではなく、業務効率や生産性が落ちる可能性をはらみます。今回はそうしたPCの機種選定を行う上での「基準」や「ポイント」を解説します。

お問い合わせはこちら

費用やスケジュール・サービス詳細に関するご不明点や疑問点などもお気軽にお問合せください。原則翌営業日までにご回答しておりますが、内容によりお時間がかかる場合も…

御社業務に最適なPC機種のご提案を承ります。お気軽にお問い合わせください。

各業務や部門ごとによりけりな性能やスペック

たとえば経理業務であれば表計算ソフトの代表であるExcelや会計ソフトの利用がその多くを占め、セキュリティ上の観点からデスクトップ等の据え置き型が好まれてきました。逆に営業や人事採用・広報などの対外的業務が多い部門では打ち合わせや出張も多く、持ち運びに便利で携帯しやすいノート型がほとんどでバッテリー駆動時間が長く、ウェブ会議におけるカメラやマイク・スピーカーなどの機能が重視される傾向にあります。

またシステム開発や管理を行う部門であれば、メモリサイズやデータストレージ、CPUなどの各パーツにハイスペックで処理速度に優れたものを採用しているケースが多いものです。

パーツごとに想定される選定ポイント

各パーツの性能の高低差により、「帯に短し、タスキに長し」になっては元も子もなく、スペックが過剰過ぎても逆に不足していても費用対効果は得られないもの。そのため実際の選定作業は難易度が高く、慎重さが求められます。そこでパーツごとに考えられる選定ポイントや特色を洗い出してみました。ご参考になれば幸いです。

各パーツごとの選定ポイント
(1)プロセッサ(CPU・GPU・NPU)
   ユニット
価格帯が幅広く、用途に応じて多岐にわたる製品ラインアップを持つ、「業務要件」や「複数アプリの同時起動」と言った条件次第で、スペック不足に陥りやすい。将来的AI活用ではNPU搭載モデルが望ましい。
(2)ストレージ近年は動作が速いSSD搭載モデルが主流、消費電力性能に優れ、業務内容に応じた適切なサイズのものを選んで決定すべき。
(3)メモリサイズWindows11で推奨される最低容量は4GB、AI搭載PCのメモリ要件が最低16GBであり、将来的には最低でも8GB水準の確保が望ましい。
(4)ディスプレイ・キーボード・トラック
   パッド
「IPS液晶」「有機EL」ごとのパネル、サイズ、バックライト、色彩やHDRなどの選定要素次第でデザイン制作業務における成果を左右するのがディスプレイ。

文字入力などの操作感を左右するキーボード・トラックパッドはモデルや価格帯により性能やパッドサイズが変わる。
(5)ネットワークデバイス
  (有・無線LAN、Bluetooth)
オフィス環境や設備に応じて有・無線を用いた高速なLAN接続が可能であることが重要だが、将来的には超高速かつ安定性の高いWi-Fi7対応のモジュール搭載したものが望ましい。
(6)インタフェース映像出力やノートPCへの給電が利用でき、最大40Gbpsの転送速度を誇るThunderbolt4やUSB4(いずれもUSBType-C)等の最新規格に準拠したものが望ましいが、周辺USB機器との互換性を考慮してスタンダードなポートも搭載したものが現実的。
(7)冷却デバイス高性能モデルでは消費電力や発熱量も大きくなりがち、大型ヒートシンクを搭載していれば回転速度を上げずにファンの騒音を抑え、冷却効果に優れる。
(8)バッテリーモデルごとに異なるバッテリーサイズがあり、長時間駆動タイプは必然的に高価。業務要件に応じた適切な耐久性を考慮すべき
(9)Webカメラ、内蔵スピーカー・マイクウェブ会議の品質を左右。特に社内利用ではなく、得意先や顧客との打ち合わせや採用面接などの重要シーンにおいては、その性能により結果に重大な影響を及ぼしかねない。

まとめ

重要なのは業務へポジティブ影響を及ぼす将来像を描けるか?
少子高齢化による人員や担い手不足が発生する近未来、AIと言った最新テクノロジー活用の際にスペック不足のPCでは心もとないばかりか逆に生産性を低下させかねない事態を招きます。

またセキュリティ確保の観点からもバッチファイルを迅速にダウンロード出来たり、インシデントに素早く対応するにはいかにコストパフォーマンスの高い製品を採用できるかが今後、問われます。

実運用では、個々に洗い出して浮かび上がった業務特性や社員の利用スタイル、将来の活用シーンをもとに最適なモデルを判断、費用対投資効果を高め業務に生かせる方策をいかにして検討できるかが重要な要素となるのです。