紙業務の電子化・効率化を促すには
来年1月から始まる電帳法への対応問題により避けては通れなくなるのが文書デジタル化。働き方改革や法制度への対応などに伴い急務となった「紙」業務の電子化は企業にとって最優先のミッションですが、同時に業務全体の効率化につながる嬉しい効果も見込めます。今回はこの話題を取り上げ解説します。
電子ファイルの整理・保存の作業負荷軽減には
業務デジタル化は現在、政府・各省庁の主導により官民一体で進められており働き方改革の一環としてテレワークやリモートワークの導入が一層進んだことはご存知の通り。新型ウイルス感染対策としてテレワーク在宅勤務、サテライトオフィス、フリーアドレスといった柔軟なワークスタイルが世に出てきました。
そうした背景も伴いデジタル化を進めるうえで見落せないのが「紙」を用いた業務。日本企業における帳票文化は古くから根付いており、紙の文書を使った業務はまだまだ多く根が深い。たとえば取引先がいまだFAX利用企業の場合には社外事情としてFAX業務を完全になくすことは難しいのが実情です。
紙運用では必要文書を探し出す時間がかかり社内情報共有を難しくさせており、業務効率の向上を妨げる要因につながっています。来年1月からの電子帳簿保存法改正への対応は政府主導による電子化の動きを加速させており、文書(紙)の電子化は喫緊の課題となっています。
そうは言っても紙データの電子化を容易と捉えるのは「落とし穴」にはまりかねません。現代のオフィスでは複合機やスキャナ利用が当たり前、紙文書をスキャンすれば電子化自体は簡単に実現できるのですが、電子化しただけでは業務を回すことはできず、ファイル名の変更やフォルダへの振り分けといった事務・整理作業を行い、電子化したファイル類を再整理する必要が出てきます。そうした業務の効率化につながるのが電子化と同時にファイル整理の作業を自動で行える『自動処理ツール』と言われるもの。
電子化の実体
電帳法等への対応などに備えて、たとえば「紙の文書をスキャン」→「PDFファイルに変換(電子化)」フローを既に構築・運用している企業も多いのではないでしょうか。しかしながら、こうした電子化プロセスを既に構築された企業であってもファイル名を判別しやすいようわかりやすく変換させたり、内容や種類に合わせフォルダ分けしたりといった作業については、現場担当者やIT部門が手作業で行っているというケースも意外と多いのが現状です。
業務効率化を目的にした仕組みが業務負荷を逆説的に増やしかねない本末転倒の結果を引き起こす恐れがあり、紙運用を継続しているという企業も実は少なくありません。そうした弊害を避け電子化によるメリットを享受するには、手間をかけず電子化したファイルを整理運用できる仕組みを作り上げる必要があります。
こうした電子化の課題を解決するソリューションが前述した自動処理ツール。クラウド上でスキャナや複合機でスキャンしたデータ、メールで送られてきたOffice等のファイルのPDF変換作業を自動にて実行してくれます。
QRコードを用いたファイル整理もお手のもの。同コードは、同じようにファイル整理に利用されるOCRやバーコードと比較しても誤認識が少なく、コード内に格納できる情報も多いのが特長。ファイル情報を付加したQRコードを紙文書に貼り付ければスキャン(電子化)後の負荷を限りなく低減させることができます。電子化によるファイル整理作業がなくなれば業務担当者はより生産性が高くクリエイティブで効率的な業務に注力できる効果が高いのです。
このツールは純国産。国内の商習慣や法制度に合わせたアップデートを20 年以上にわたって続けており、PDFファイルにパスワードを付けたり印刷・編集の禁止を設定できたりと言ったセキュリティ要件やタイムスタンプ付与要件についても法対応に合わせ網羅させているのが強み。これから電子化=業務のデジタル化に取り組みたいという企業はもちろん現状の電子化プロセスに課題を感じている企業にもお薦めできるツールなのです。