『2025年の崖』問題を見据えた業務の効率化・DX化とは
業務で使われている既存のITシステムの多くが『老朽・肥大・複雑・ブラックボックス』化などが原因で2020年代より以前の多くのビジネスモデルでは使いづらく、企業の競争力を低下させ、経済的に大きな損失をもたらすであろうといわれているこの問題。
再来年に迫りつつあり、多くの企業や組織において対策が必要とお考えではないでしょうか。今回はこの話題を取り上げて考えます。
増える課題
多くの企業では、今もさまざまなITシステムがそれぞれの部署・部門ごとにバラバラに構築・運用されており、システムを構築する言語も異なるなど情報の共有や横断的な利用が困難な状況に陥っているのが実情です。
それぞれのシステムが長期にわたって個々の部署や業務に適する形で場あたり的にカスタマイズされ、肥大・複雑化が進み、システム担当者も次第に退職しており中身の仕組みが見えない「ブラックボックス」化の進行。業務システムを制作したベンダーが旧システムのサポート期間終了を予定しており、それに伴う各種サービスのサポート終了で安全性の担保に不安を抱えたり、高まるリスクの管理に新たな工数が取られ非効率極まりない運用をせざるを得ないなどのレガシーシステム(過去の遺物)による悪影響が出始めています。
解決への動き
すでに使用中のシステムに依存した業務体制が敷かれ、「老朽・肥大・複雑・ブラックボックス」と化したシステムを整理・再開発するとなると莫大なコストが必要となることからもシステム入れ替えや刷新はそう簡単ではありません。
AI ・Iotなど新技術がめまぐるしく登場する現代では、レガシーシステムによる負担は次第に増大していき、ブラックボックスとなったシステムが残され続ければ、最新のIT事情に即したビジネスモデルには対応できず、資産的にも損失を生み出し続けます。
そこで必要となってくるのが事業や業務においてIT技術を活かした「DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)」切り替えによる業務の効率化と生産性向上の実現なのです。
DX化を成し遂げた企業例
たとえば米国企業のUber Technologies, Inc.(以下Uber)ですが、2009年サンフランシスコでサービスを開始、画期的なライドシェアリングシステムにより全世界に急拡大しました。日本では法律上ライドシェアが認められませんが、このシステムを応用したフードデリバリー「Uber Eats」は今や誰もが知る宅配サービス。
2014年開始の相乗り新サービス「Uber Pool」は、複数の乗客による相乗りをこれまで以上に的確な経路検索と非常に高度なデータ分析やアルゴリズムによって可能にしたもの。顧客側の手続きはすべてオンラインとスマートフォン上で完結され、ワンストップで提供可能であり、DXを成し遂げた最たる企業と言えるでしょう。
崖を越えるためにやるべきなのは
業務全体を見渡せば、デジタル化の進んでいないフロントオフィスからバックオフィス業務までありとあらゆる領域における見直しと検討が本来は必要です。そうは言っても人ありきの業務を一朝一夕に変えるのは至難の業。
出来るところから徐々に取り組んでいくのが王道です。「千里の道も一歩から」と昔から言われるよう着実に正確に実行していけば達成できますが、問題となってくるのは、そのプロセスや手法といった取り組み方です。ブラックボックス・複雑化したシステムを紐解きながら全社をあげ『大きな覚悟、コスト、時間、人材』をかける必要が出てきます。
将来的運用指針の検討まで含め、スマートかつ適切に『DXを推進』するには、コンサルティングなど外部からの知見やノウハウを取り入れた方がスムーズかつ安全に進められることは多くの人が認めるところです。ぜひお気軽にご相談ください。