マイナ保険証のメリット

おととし10月からスタートしていたマイナンバーカードの健康保険証(以下、「マイナ保険証」)利用。カードと保険証を紐づけた人にはマイナポイントが付与されており、積極的利用が叫ばれていますが、報道されている不祥事などの影響もありまだまだ利用していない人も多く見られます。

実はこの『マイナ保険証』を利用しなかった際の診療報酬額が本年4月から値上がりしていることをご存じでしょうか。従来と新制度の診療報酬額を比較して、マイナ保険証利用のメリットをご紹介します。

◆目次

  • 窓口での「従来型保険証」と「マイナ保険証」別の診療報酬額
  • マイナ保険証提示の方がお得なのは
  • まとめ
  • 窓口での「従来型保険証」と「マイナ保険証」別の診療報酬額

    実は医療機関の窓口にて「従来の健康保険証」と「マイナ保険証」を提示した場合では支払う診療報酬額が異なります。

    本年3月までは、従来の健康保険証を提示すると初診時は40円(3割負担で12円)、再診時は0円。一方、マイナ保険証を提示すると初診時は20円(3割負担で6円)、再診時は0円でした。

    初診時はマイナ保険証を提示するほうが6円安く設定されています。

    この差が本年4月以降は「加算の特例措置」期間としてさらに広がります。

    従来の健康保険証を提示した場合には初診・再診時ともに20円(3割負担で6円)ずつアップしますが、マイナ保険証を提示した場合の診療報酬は据置かれています。

    つまり、3割負担の場合には従来の健康保険証とマイナ保険証では初診時に12円、再診時に6円もの価格差が発生します。マイナ保険証を利用しない人にとってはさらに負担が増えます。

    マイナ保険証提示の方がお得なのは

    実は薬局でもマイナ保険証を提示したほうがお得です。

    本年4月より、3割負担の場合には従来の健康保険証を提示すると診療報酬に12円加算されていますが、『マイナ保険証』では3円の加算で済みます。このように薬局でも、従来の健康保険証とマイナ保険証を提示した場合の価格差は9円もの差があります。

    診療報酬に差が出るのは、マイナ保険証読み取り装置(オンライン資格確認システム)を導入している医療機関や薬局を利用した場合。システム未導入の医療機関や薬局では、どちらの保険証を提示しても診療報酬に差はありません。

    政府は本年4月より導入を義務付けたため、ほぼすべての医療機関や薬局でマイナ保険証を利用できますが、支払うべき診療報酬の差に違いが生じていることをご存じない方がほとんどではないでしょうか。

    先日も河野大臣が強調した通り、来年秋には従来の健康保険証が廃止される見込み。
    マイナ保険証を利用したくない人を対象に「資格確認書」が発行される計画です。発行手数料は無料、有効期限は発行から5年、期限が切れた際に従来の健康保険証のように自動更新されるかは未定。発行や更新に手間がかかるとすれば、マイナ保険証を利用したほうが便利です。

    まとめ

    支払う診療報酬額の差を考慮しても、マイナ保険証利用の手続きを行っていない人はいち早く進めたほうが賢明です。わずか数円の差であっても、積み重なれば大きな額。コンビニやスーパーマーケットでのビニール袋の有料化と同じく、医療機関を受診する際はマイナ保険証を持参した方がベターなのは一目瞭然なのです。