先々の法改正を見据えて
◆目次
そもそも、電帳法改正とインボイス制度導入により、財務経理の業務はどう変わるのか?
電帳法への対応
電帳法(電子取引)では、「電子で受領した帳票は電子のまま保存すること」が今後義務付けられます。とは言っても請求書や領収書は部署や個人で受領手段が異なります。
各部署の各業務のなかでどのような帳票を「起票・受領・保管」しているのか。「財務経理」部門が音頭を取って現状を把握・整理・確認する作業が必要です。
インボイス制度への対応
インボイス制度についてはどうか?
受領した請求書が、制度にのっとった書式になっているか確認作業がまず発生します。具体的には、発行元が適格請求書発行事業者の登録を受けているかどうか『登録番号』で確認します。
請求書にとどまらず、例えばタクシーの領収書も制度の対象帳票になるため、確認範囲は非常に広いのです。
制度対応の注意点
両制度は、「財務経理」部門の負担が大きいものです。インボイス制度の場合、これまでなかった確認作業に加えて電子で受領した適格請求書は電子取引の要件に従って電子保存する作業が新たに発生します。
注意したいのは「法制度対応に追われ、業務効率が低下する」こと「新たな法制度が登場するたび部分最適なツール導入によりサイロ化を招きビジネス停滞が起こる」こと。
その対策に商取引にかかわる各種帳票をデジタル化してシームレスに管理できる方法を確立できれば、今後の管理業務は圧倒的に効率化され生産性は格段に向上します。
法改正を契機と捉え、その先の『業務効率化やビジネス変革』まで見据えたソリューションを選ぶことが最も大事なのです。
しかし請求書や見積書は、いまだに郵送やFAX 経由で受領するケースが多いのも事実。それらをPDF や画像として保存する場合は記載されている取引日付、取引先名、金額といった情報を『 AI OCR』でデータ化できるソリューションがあります。そのまま文書管理ツール上でタイムスタンプを付し、検索情報が設定された状態で保管もできるのがITツールの手軽さ・便利さ。
将来を見越した正しい判断を
法制度対応に踊らされることのない『デジタル環境の整備』を進めるには「まずコンテンツを集約し、活用へ向けDXを推進すること」が重要視されています。企業が持つ有益な情報を内部の部署横断で展開させていけば、ビジネスのスピーディな変革に大きく寄与貢献することが期待できます。
目の前の法制度対応だけに視野を狭めず、「その先」を見越したデジタル化を目指すことこそが大きな発展の土台になるのです。