電帳法違反の罰則とその要件未達ケース
◆目次
「罰則は厳しいの?」「違反しないためには何が必要?」という方むけに『違反』に関する罰則規定とその要件をご紹介します、本格的な運用開始に向けてご参考になれば幸いです。
青色申告取り消し
違反した場合、罰則として青色申告の承認が取り消される場合があります。青色申告は最大65万円の特別控除が受けられるなどの節税効果を生み出します。
青色申告が認められなくなることで受ける影響は、以下の通り。
- 個人事業主……特別控除が受けられず所得税など通常より多くの支払いが発生するリスク
- 法人……信用失墜などにつながるリスク
追徴課税
データの偽造や改ざんなどが発覚すると、違反に対して科される『課税が10%』加算されより多くの追徴課税が発生します。また、白色申告者の場合は推計課税が課される可能性があります。
会社法の規定による科料
不正があった場合、会社法で定められた帳簿や書類の記録・保存方法に抵触する可能性があります。抵触していた場合は100万円以下の過料が科せられます。
データ保存要件
契約書や請求書をスキャナで保存した場合、いくつかの保存要件を満たしていないケース。スキャナ保存をする際には以下の要件に気を付けましょう。
- 解像度……200dpi(A4サイズで387万画素相当)以上で読み取れているか
- カラー画像……赤、緑、青それぞれ256階調(24ビットカラー)以上で読み取れているか
- 対象書類……スキャナ保存が認められている書類か
検索要件
電子文書の検索要件として、以下の3項目にあてはまる電子文書を全文検索できるようデータ保管する必要がありますが、未対応ケース。
- 取引年月日
- 取引金額
- 取引先
なお、売上高が1,000万円以下の事業主は対象外となっています。
保存期限の実務規定要件
領収書などの紙書類を受け取った際、受領日から「3営業日」以内に電子文書化する必要がありますが、処理が間に合っていないケース。確定申告前にまとめて処理した場合は『違反』となります。内容の改ざんと言った不正に関与したことのない第三者に依頼すれば、最長2か月と7営業日以内に電子文書化することが認められます。
保存すべき期間要件
保存が義務付けられている「期間」中に、保存している電子文書を破棄したケース。以下は「7年保存」が必要な帳票類の一部、書類の保存期間は税制によって異なります。
- 総勘定元帳
- 仕訳帳
- 契約書
- 領収書
青色申告者が欠損金といわれる純損失を繰り越す場合、10年の保存期間となります。