事業継続計画(BCP)策定・見直しに必要な観点

事業継続計画は企業経営において発生しうる問題・課題を踏まえ中長期的な「事業計画」に基づき、戦略的優先順位を決め対処すべく策定されたプラン。全ての組織にとり予算や人員およびスキルは限られ、発生する多くの問題に全面的に備えるのは不可能。同時並行して全ての問題を処理できる組織などありえません。

そのため危機的状況が発生した場合には緊急回避策としても事業への影響度の高いものから優先的に対処すべきことは論を俟ちません。

備えるべき主要リスク

たとえば大規模な電力供給の途絶・システム・ネットワーク障害や自然災害による被災、セキュリティインシデント、パンデミック発生、政情不安によるテロ・クーデター、戦争や株式市場等の混乱などはその典型。ひとたび発生すれば、ガス・水道・電力や通信・交通網と言ったインフラが寸断され、本社機能に加え生産から販売、受発注、物流、データセンター等は機能不全に陥ります。

来たるべき非常事態に備え、レジリエンス(困難を乗り越え回復する力)を高め、継続して業務を続けるには『システムやITサービスを含め継続的に利用できる体制づくり』『早期のリカバリー』『災害対策用テクノロジーの利活用』などの整備運用が必要不可欠な要素となってきます。

不測の事態への備え

一例をあげると大規模地震などの自然災害が発生した際に自社の社員の安否情報や被災状況を確認できる『安否確認』サービス。迅速かつ正確に安否状況を確認でき、事業継続計画(BCP)の観点からも多くの企業で導入が増えつつあります。

とある安否確認サービスでは、「電子メール」「電話」「LINE」「LINEWORKS」「専用スマートフォンアプリ」の5つの連絡オプションがあり、豊富なバリエーションから選べ、緊急事態であっても連絡をとりやすいよう配慮されているのが特長です。

緊急事態では担当者は全員の安否を確認、被災情報を収集、指示や情報共有を行う必要があります。ただし、懸念されるのが担当者自身が被災した場合、電子メールと言った連絡手段だけでは手間ひまがかかり過ぎ、こうした安否確認サービスの優位性が際立つのです。

サービスの基本機能

「自動一斉配信」「自動集計」「安否・被災状況の可視化」「情報共有」「複数の連絡手段に対応」などを備えています。
気象庁の地震情報に連動させた安否問い合わせを対象社員に一斉に自動配信、これに対して社員はスマートフォン等から安否情報や被災状況を回答して送信、自動集計された安否・被災状況をダッシュボード上で管理者が一覧で把握できるのです。

他にもサービスに依っては対象社員のGPS位置情報をベースにした安否確認を行うことができます、たとえば帰省や旅行により災害発生地にいる場合にも対応可能なのです。

サービスの選定要件

まず重視すべきなのはセキュリティ対策。たとえば社員自らが個人情報を入力するタイプは比較すれば情報漏えいリスクは低下します。
次に災害発生時でもシステムが継続して稼働できるのか?データセンターを複数に分散させ可用性を確保しているか?災害時に正常に稼働した実績があるか?
少なくとも三点は導入前に確認しておくべきでしょう。

最後になりますが、緊急事態に備えた日頃からの訓練と冷静な対処ができる体制づくりもまた重要な視点。月に1回程度の定期訓練の実施をBCPに組み込むこともおすすめです。